ゆずが生まれた聖地 集う路上ミュージシャン支える横浜の「温かさ」
昨年12月中旬、観光客が行き交う休日の山下公園や横浜マリンタワー(横浜市中区)。一人、また一人と通行人が足を止めていく。その目線の先には、路上でギターをかき鳴らし歌うミュージシャンがいた。
弾き語りデュオ「なもなき」。北海道利尻町出身のランディこと田沢翼さん(28)と、千葉県八千代市出身のおにちゃんこと鬼武翔太さん(26)の2人組だ。この日の路上ライブは手拍子やコール&レスポンスで盛り上がり、曲ごとに聴衆が入れ替わりながら50人以上が集まっていた。
人気デュオに憧れ路上でライブ
なもなきの2人は4年前、都内のライブハウスで出会った。近年の音楽の主流が電子音になる中、ギター1本で汗をかきながら泥臭く歌う田沢さんの姿にひかれて、鬼武さんが声をかけた。
2021年7月に結成。鬼武さんは「ゆず」、田沢さんは「コブクロ」が好き。Jポップ界の第一線で活躍する2組の人気デュオもルーツとする路上でキャリアを開始。一昨年、ロックバンド「TUBE」が自身らのライブに出演してもらうことを目的とした企画で、SNSに投稿された約2千本の中から、他の歌手とともになもなきの動画が選ばれた。横浜スタジアムでTUBEと同じステージに立った。
SNSの総フォロワー数約8万人になった今でも、川崎市で共同生活をしながら、横浜市の路上を中心に活動している。
2人が、神奈川を拠点に選んだ理由は何か。
1度のライブで数千人集めた伝説
1990年代後半の横浜。ゆ…
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