「乗り鉄」先駆け、内田百閒「阿房列車」の自筆原稿が新たに発見

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浅見和生
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 鉄道好きで知られる作家、内田百閒(ひゃっけん、1889~1971)の代表作「阿房(あほう)列車」シリーズ全15編のうち、所在不明だった2編の自筆原稿が青森県で新たに見つかり、岡山市の吉備路文学館に寄贈された。

 他の13編は岡山県郷土文化財団が所有し、これで全編が百閒の出身地、岡山にそろった。文学館は「おかえり阿房列車」のタイトルで、来年1月5日から2編を特別展示する。

遺品整理で見つかった生原稿

 《なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて大阪へ行つて来ようと思ふ》

 この有名な一文で知られるシリーズは、戦後間もない1950年から55年にかけて週刊誌に連載された人気紀行文。「乗り鉄」の先駆けとも言える。全15編あり、後に全3巻の単行本として出版された。

 今回新たに見つかった2編の…

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