高木さんが好きすぎて 巡礼だけじゃ物足りないと選んだ「聖地移住」

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内海日和
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 アニメの舞台になった場所を巡る「聖地巡礼」だけでは満足できず、移り住んでしまう人たちがいる。

 熊本康太郎さん(27)は2022年3月、瀬戸内海に浮かぶ小豆島香川県土庄町に移住した。

 岡山大の3年生だった18年1月、友だちに勧められて見始めたアニメ「からかい上手の高木さん」の舞台が小豆島だったことから興味を持った。

 女子中学生の高木さんは隣の席の男子、西片(にしかた)を何かとからかう。この「からかい」は好意なのか? 思わせぶりな態度に西片は揺れる――。

 こんなストーリーで展開される作中には、潮が引くと現れる砂の道「エンジェルロード」、高台から見下ろす瀬戸内海と石段が絶景の「富丘八幡神社」など島の観光名所が登場する。

 熊本さんが初めて「聖地」を訪れたのはその年の夏。宇野港(岡山県玉野市)から船で小豆島へ行き、町作成の「舞台探訪マップ」を手に巡った。

 「アニメと同じだ」。島を巡ってうれしくなった。気づけば、毎月のように通っていた。「来る度に微妙に変わる聖地の景色を見たかったんです」

 大学卒業後も岡山のイチゴ農園で働きながら、休みの日には小豆島に通った。聖地巡りのほか、島内で山登りやカフェ巡りも楽しむようになった。

 高木さんと同じくらい小豆島のことも好きになっている自分に気づいた。

「高木さん」をきっかけに移住をした人は他にもいます。記事の後半では、戸惑いを隠せないもともとの島民や、聖地を揺るがした「実写化」発表についても紹介します。

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