第5回「武器禁輸は9条の具体化」 密室で政策転換、「平和国家」骨抜きに

有料記事安保の行方 武器輸出を問う

聞き手・田嶋慶彦

 今回の防衛装備移転三原則と運用指針の改定による大幅な輸出制限の緩和で、日本の安全保障政策は大きな転換点を迎えました。平和主義を掲げる憲法との整合性をどう考えればいいのか。青井未帆・学習院大教授(憲法学)に聞きました。

 ――日本は憲法で平和主義を掲げています。一方、今回の三原則や運用指針の改定で、殺傷能力のある武器の輸出制限が大幅に緩和されました。

 「平和国家である日本がつくった武器で人が死ぬのはおかしい」というのが、世の中の大多数の意見だったはずです。(佐藤内閣が表明し、三木内閣が政府統一見解を示した)武器輸出三原則に代表される日本の抑制的な武器輸出政策は、戦争放棄や戦力の不保持を定めた憲法9条の具体化したものと理解されてきたと思います。

 いま政府は、日本にとって望…

この記事は有料記事です。残り1206文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません