第6回「宇宙兄弟」に卑屈なキャラがいないわけ 作者が語る嫉妬しない秘訣

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聞き手・田中瞳子

 日本人初の月面着陸者となる宇宙飛行士の弟と、30歳を過ぎて無職となる兄――。人気漫画「宇宙兄弟」(講談社)は、天才と凡人と映るような対照的な兄弟の姿から物語が進んでいく。大谷翔平選手や藤井聡太八冠といった「天才」の活躍に日本中が盛り上がるが、天才とは何なのか。対して凡人の魅力とは? 作者の小山宙哉(こやま・ちゅうや)さんに聞いた。

「僕は六太も天才だと思う」

 ――兄弟は幼い頃に、二人で宇宙飛行士になる、と約束します。弟・南波日々人(なんばひびと)は若くして夢をかなえ、月に立ちます。対して兄・六太(むった)はいつからか宇宙飛行士の夢を諦め、勤めていた会社はクビになる……。兄弟は「天才と凡人」の対比に見えます。

 「“天才”って、別の言い方をすると“変態”ですよね。何かにこだわり、突き詰めているちょっと変な人。その結果、突き出ちゃった人が周囲から天才と呼ばれている。子供の頃から『絶対宇宙に行く』と言い続け、こだわってきた日々人は、いつの間にか突き出ちゃったのでしょう」

 「一方、僕は六太も天才だと…

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    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2024年1月5日21時21分 投稿
    【視点】

    昨年は小山宙哉先生とお話する機会をいただきましたが、相手が和むような言葉を自然体で話される、まるでムッタのようなマイルドな方という印象でした。そんな先生の人柄が「宇宙兄弟」の魅力的なキャラや前向きな名言の数々にも現れているなと、このインタビ

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