光ケ丘女子、クリスマスの降誕劇 吹奏楽コンクール通じ成長(My吹部seasons)

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 聖カタリナ学園光ケ丘女子高校吹奏楽部は、顧問・日野謙太郎の指揮で壮大な序曲を奏で始めた。12月16日、場所は地元愛知県岡崎市民会館。だが、それは吹奏楽部のコンサートのオープニングではなかった。

 「天地創造

 ナレーターの声とともに白い衣装に身を包んだ「神」が「光あれ!」と高らかに声を上げ、ステージ上がまばゆい光に照らされる。

 カトリック系の光ケ丘女子高校の生徒約300人が参加し、毎年年末に上演される「クリスマスページェント」。天地創造からエデンの園、ノアの方舟(はこぶね)、モーセの出エジプト、そして、イエス・キリストの誕生までを描き出すミュージカルだ。

My吹部Seasons

吹奏楽作家のオザワ部長が各地の吹奏楽部を訪ねる「My吹部Seasons」。毎月2回配信します。

 音楽は、《躍動する魂~吹奏楽のための》《スケルツァンド》などで知られる江原大介が作曲。全国レベルの実力を持つダンス部や合唱部、吹奏楽部が中心になり、ほかの部活や一般の生徒からも有志を募って歌、演奏、演技、ダンスで壮大な物語をつくり上げる。

 現在、劇団四季で活躍する小林由希子、ミュージカル俳優の森田茉希も光ケ丘女子の出身で、ともに「ページェント」を通じて才能を開花させた。単に「高校生たちが演じるキリスト降誕劇」を超えた意義とクオリティーを持っているのが「ページェント」なのだ。

 吹奏楽部はそのステージの奥で生演奏を担当している。3年生の部長で杉浦真呼は、ホルン特有の大きなベルに差し入れた右手が緊張で汗ばんでいるのを感じながら、部員たちとともにドラマチックな聖書の物語に音楽を添えていった。

        ♪

 「中3のときにコロナ禍で吹奏楽コンクールがなくなり、不完全燃焼で終わってしまったので、高校では真剣に音楽がやりたい、全国大会にも出てみたいと思って光ケ丘女子に入りました」

 真呼はそう語る。

 高1で55人のコンクールメ…

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