第4回7年コンビニでバイトした青葉被告 「夢はないのか」責められ立腹

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 「ゲーム音楽を作る仕事」に憧れを抱いた青葉真司被告(45)は、埼玉県内の定時制高校を卒業すると都内の音楽系の専門学校に進んだ。高校の仲の良い同級生2人も一緒だった。

 しかし1年後、埼玉に戻ってきた。妹は、青葉被告が「あの学校で学ぶものは何もない。時間の無駄だった」「先生に質問しても『お前にはまだ早い』と言われた」と話していたのを覚えているという。

 4年制の定時制高校を卒業したため、他の専門学校生から「一つ年を食っている」ことをバカにされたのも大きかったようだ。

 シンセサイザーやサックスなどの楽器を持ち帰ってきて、妹に譲ったり売り払ったりしたという。

 1年間の学費や生活費は「新聞奨学金」でまかなった。新聞販売所の寮で寝泊まりしながら、午前3時に起きて折り込みチラシを新聞に挟み、配達へ。午前7時に作業を終えると、朝食をとって専門学校へ向かった。

 夕方6時ごろに帰宅すると、新聞の集金や残った仕事を片付けて解放されるのが夜の9時だったという。

 契約を結んだ1年間は続けた。しかし、他の従業員と仕事への姿勢が合わず辞めた。

 帰郷した後は、父親と妹が2人で暮らすさいたま市内のアパートに住みながら、コンビニのバイトを始めた。

 「4カ月か半年くらい」後に、一人暮らしを始めるために埼玉県春日部市のアパートに移り住んだ。

 妹は公判で、「父と折り合いが悪かったからいずれ出て行くと思っていた」と述懐した。「お金がない」という青葉被告をバイト先の弁当店に呼び、総菜を分けたこともあるという。

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