「あまおう」王ゆえの悩み 人気すぎ後継ないまま、福岡の独占終了へ

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小出大貴
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 イチゴの王様を名乗る福岡県産「あまおう」が「王ゆえの悩み」を抱えている。生産などを独占できる「育成者権」が来シーズンで切れて誰でも生産販売できるようになるが、その人気ぶりゆえ、権利対策にもなる新品種開発の動きが持ち上がらないのだ。それでも、関係者らはブランド力による産地の維持に自信をみせる。

 11月下旬、福岡県南部の八女市。ビニールハウスでは、名前の由来にもなった「赤く」「丸い」「大きな」実がなっていた。「うまい」を足した頭文字をとって「あまおう」だ。収穫は来年5月ごろまで続く。

 品種名は「福岡S6号」で2005年に種苗法による登録を受けた。栽培や販売を制限できる「育成者権」は福岡県が持つ。苗の使用を県内に絞って、福岡限定を前面に出してブランドの知名度を上げてきた。

 その権利が、来シーズンの収穫期まっただ中の25年1月に切れる。県農林水産政策課の宮崎真行氏は「『どうするんだ』と不安がる生産者も多い」と話す。県外や海外に持ち出しても規制できなくなり、県とJA全農ふくれん、生産者で対策を協議中だ。

■東の栃木と西の福岡、イチゴ…

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