第3回「お前ならできる」恩師に支えられた青葉被告 幻覚も自然に消えた

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 《(街中を歩いていると誰かが)寄ってきて何か言ってくるようなのを感じた。人混みの中だとそういうのがあった》

 青葉真司被告(45)は公判で弁護士から中学生のころの体験を問われ、こう語った。

 しかし兄に相談すると「根性がないからいけないんだ。根性で治せ」と言われ、医師にも相談しなかったという。

 この時期、中2で公立中学から別の公立中学へ転校した。ところが、居心地が悪く、次第にまったく登校しなくなった。

 中3になり、妹と同じフリースクールに通い始めた。

 《学年の異なる15人ほどが学んでいた。学習内容は中学校と変わらなかったが、疑問に対して(人数が少ないので)全部答えてもらった。それで逆に興味を持って行くようになった》

 公判で青葉被告は当時を振り返った。

 特に理科のイシハラ先生に「なついていた記憶がある」という。卒業後は働くつもりだったが、定時制高校に進むことにした。イシハラ先生に報告すると、「お前なら絶対できる」「フリースクールにはもう戻ってくるなよ」と励ましてくれたという。

高校が「一番良い時代だった」 バイトにやりがい

 1994年4月、県内有数の進学校に併設された定時制(4年課程)に入学した。

 この時期の幻覚症状について…

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