裏金疑惑、若い世代に広がる不信 下がる投票率、民主主義の危機に
江戸川夏樹
自民党の派閥による裏金疑惑が、政治不信に拍車をかけている。特に若い世代は今回の問題をどう受け止めているのか。
億単位の裏金「私たちの本音なんか見えっこない」
東京大学に通う女子学生(20)は「なんだか冷めてしまった」と話す。
今年4月の統一地方選で、候補者の選挙事務を手伝った。朝6時から駅前に立ってビラを配り、昼間は支持を訴えて電話をかけ、夜は講演会をいくつもこなす。
候補者は街で聞いた市民の声をリポートにまとめ、当選後に行動に移す準備をしていた。「こうやって社会を前進させるのが政治なのかと希望を感じた。将来の職業としても考えていた」と振り返る。
ただ、今回の問題発覚後、国民に説明をせず、自ら辞めるわけでもない政治家の姿に興ざめしたという。
「保身を考え、改革意欲に乏しい人たちが政治を牛耳っている。選挙に行く意味があるのか、とまで考えた」
「金の亡者たち」
都内の会社に勤める赤城玲奈さん(22)は、「億単位の金を裏で扱う人たちに、私たちの本音なんか見えっこない」と言い捨てる。
デザイン系の専門学校を卒業…