引きこもり「人生終わった」 ゲーム漬け8年、見守る母がくれたもの
F5、F5、F5……。
パソコンに向かって同じキーを打ち続ける。もう何十分になるだろうか。
はまっていたパソコンゲームは、一定時間プレーするとライフが切れ、プレーできない仕様だった。
画面を更新する「F5」キーを押し続けて、ライフが回復していく様子をひたすら眺めた。
ボタンを押しても早く再開できるわけではない。ただ、何もしていない時間が耐えられなかった。
時刻はちょうどお昼時。昼食を抜いてキーを押し続けた。同級生たちは今頃給食を食べているころだろうか。俺、一線を越えちゃってるな、と思った。
ゲームでは最強 現実は「レベル1」
高松市の宮武将大さん(37)が学校に行かなくなったのは、小学6年生の時だ。
きっかけは、勉強へのストレスだった。暗記はできたが、思考力が問われるような問題には、どの教科もついていけないことが多くなった。
学校に着いたとたん、帰る理由を探すようになった。実際、ストレスのせいかおなかが痛くなったり、熱が出たりした。
早退を繰り返すうちに、勉強はさらに遅れ、行きたくない気持ちは膨らんだ。
不登校の期間はあっという間に月単位になり、やがて年単位に膨らんだ。中学に上がっても、学校には行けなかった。
「俺、もう終わったな」
家にいてもすることがない。生きるのをあきらめることさえも頭によぎった。
そんなとき、身近にあったの…