「贈りものは永田町の文化」 政治には金がかかるのか、秘書らの証言

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二階堂友紀
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 自民党の派閥による裏金作りの疑惑は、安倍派と二階派の事務所に家宅捜索が入り、刑事事件に発展した。「政治にはカネがかかる」とされるが、いったい何にお金を使っているのか。本当に必要なのか。

計8人の秘書を抱え

 国会議員らが大きな支出として口をそろえるのが、人件費だ。公設秘書3人の給与は公費で賄われるが、多くの議員は複数の私設秘書を抱える。

 自民党のある衆院議員は東京と地元で、計8人の秘書を雇う。月給は勤務時間に応じて十数万~40万円といい、年間で計3千万円近くに上る計算だ。

 先週末は年末のあいさつ回りで約100軒を回った。「これも秘書が日ごろから町内会の行事に顔を出し、関係を築いているおかげ」と話す。

 秘書が受け持つ地域を決め、支援者の新規開拓から責任をもたせる事務所もある。当選4回の議員は「当選を重ね、人脈や仕事の幅が広がるにつれて、秘書が足りなくなった」と言う。

 地方での移動には車が欠かせない。秘書の数だけ車が必要で、リース代やガソリン代がかかる。

 選挙区が広いと、地元に複数の事務所を構え、家賃や光熱費などの固定費がかさむ例もある。

「安物のポスターではライバルに見劣り」

 他に負担が大きいのは、広報宣伝費という。小選挙区で野党候補と競り合う自民議員は「常に緊張感があり、日常的にポスターを貼り替えなければならない。安物ではすぐに日焼けし、ライバルに見劣りしてしまう」と漏らす。

 別のベテラン議員は年に4回、活動報告のビラを選挙区の全戸に配布。「1回に200万~300万円かかる」と言う。

 ある中堅議員の場合、ビラに返信用のはがきを添えて送り、国政への要望を書いてもらう。約1千人に自ら返事を書くという。

 この議員は「政治活動には金がかかるが、金集めのために政治家をやっているわけではない。そこを履き違えてはいけない」。自らは「会食費用は持ち出し」「土産や贈り物は配らない」と決めているという。

仲間作りに贈りものは「永田町の文化」

 「政治にカネがかかる」のは事実だとしても、必要性に疑問符がつく使い道も少なくない。

 自民党衆院議員の元秘書が疑…

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