ダイハツ、64車種で174の不正確認 出荷停止は国内外の全車種に

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中村建太 近藤郷平

 ダイハツ工業は20日、車両の認証試験をめぐる不正で、新たに174の不正が行われていたと発表した。不正はすでに生産を終えた車種を含む64車種と3種類のエンジンに及ぶ。同社は国内外で手がける全ての車両の出荷を当面停止する。親会社のトヨタ自動車も統治体制が問われる事態だ。

 ダイハツの奥平総一郎社長は安全性を再確認し「乗り続けて問題がある事象はなかった」としている。ダイハツは軽自動車の国内シェアの3割を握る。昨年度の世界生産台数は約170万台。不正と出荷停止の対象には、トヨタやマツダ、スバルにOEM(相手先ブランドによる生産)などをしている国内16車種、海外7車種も含まれる。

 不正は試験データの捏造(ねつぞう)や改ざん、車両や実験装置の不正な加工や調整など25項目に及ぶ。排ガスの認証手続きで、試験直前にガスの浄化装置の触媒を新品に差し替える不正なども見つかった。多くの車種では「安全性に問題はない」としているが、「キャスト」と「ピクシスジョイ」の2車種は安全性能基準を満たさない恐れがあり、リコール(回収・無償修理)について国土交通省に報告し、判断を求める。国交省は21日に大阪府池田市のダイハツ本社を立ち入り検査する。

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