【詳報】首相、二階派の閣僚に「引き続き職責を果たしてもらいたい」

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【動画】東京地検が安倍派、二階派の事務所を家宅捜索した
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 自民党の派閥が開いた政治資金パーティーをめぐる問題で、東京地検特捜部は19日午前、安倍派と二階派の事務所に家宅捜索に入り、強制捜査に踏み切りました。億単位の収入を政治資金収支報告書に記載しなかったなどとする政治資金規正法違反の疑いです。捜査の動きや各界の反応などをタイムラインで詳報します。

16:00

立憲・野田元首相「前近代に政治が戻っている」

 立憲民主党野田佳彦元首相は記者団に、「しっかりと全容解明をしなければいけないということは岸田(文雄)首相も想定していたはず」と指摘。「国会が閉会してから『火の玉になって(信頼回復へ先頭に立つ)』などと言うのは噴飯ものだ。国会中に火の玉となって、きちんと説明する姿勢が必要だったのではないか」と批判した。

 また、自民党の派閥のあり方をめぐり、「派閥解消など、もう何十年前から言っている。何十年前に掲げた課題をずっと先送りしてきたことの責任は大きい」と断じた。そのうえで、「派閥だの、世襲だの、金権だの。前近代に政治が戻っている。猛省してほしい」と訴えた。

14:55

安倍派事務所から係官が荷物運び出す 捜索終了か

 自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)の事務所(東京都千代田区)への家宅捜索では、東京地検特捜部の係官らが、押収したとみられる荷物をワゴン車に積み込んで運び出した。

 億単位の政治資金パーティーの収入が収支報告書に記載されていないとされる政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)の疑いがあるとして、午前10時から始まったこの日の捜索は、5時間ほどで終了したとみられる。

14:30

萩生田氏「立て直していくことも私の務め」

 萩生田光一自民党政調会長は、19日に長野市で開かれた故若林正俊氏(元農林水産相)の合同葬で葬儀委員長を務め、式辞で「今、私たちの政策グループの件で大変なご心配をおかけしている。立て直していくことも私の務めだと信じ、この場に立たせていただいている」と述べた。

 同じく安倍派で葬儀委員長を務めた前農水相宮下一郎衆院議員(長野5区)は合同葬後、報道陣の取材に「捜査の行方を見守った上で、今後の対応についてもしっかり考えていかないといけないと思っている。総理も今後の対応を幅広に検討するとおっしゃっているので、私たちも政治の信頼回復のために何ができるか考えていきたい」と話した。

13:50

公明山口代表「国民の理解得られる対応を」

 公明党山口那津男代表は定例記者会見で、東京地検特捜部が自民党の安倍派と二階派に家宅捜索に入ったことについて、「新たな段階に入った。令状を取るにあたっては裁判所の目も入る。重大なことだ」と述べた。

 また、二階派に所属する閣僚の交代の必要性については、「志帥会に所属する閣僚がどのような対応をとるか、そして、岸田(文雄)総理がどう判断するか。(首相には)人事権者として、国民の理解を得られるような対応をとることを望みたい」とした。

13:35

安倍派に所属していた馳知事「法に基づき適切に処理」

 国会議員時代に現安倍派に所属していた、石川県馳浩知事は、12月議会後の報道陣の取材に応じ、安倍派事務所などの家宅捜索について、「政治資金規正法違反と報道で承知している。司法の手が入るということに大変残念に思う」と語った。自身にキックバックがあったかという問いには、「法に基づいて適切に処理をされている認識です」と繰り返した。

13:10

岸田首相、二階派の閣僚に「引き続き職責を果たして」

 岸田文雄首相が首相官邸で記者団の取材に応じた。首相は「党として強い危機感を持って、信頼回復に努めなければならない」と述べた。

 首相は、二階派に所属する小泉龍司法相と自見英子地方創生相の処遇について問われ、安倍派の閣僚らを交代させた14日の人事は「どこの政策集団がどうかではなく、一人ひとりの事情や意向を勘案し、疑念を受けないという点も踏まえた」と強調。「(二階派の)閣僚等については、引き続き職責を果たしてもらいたい」と語った。

13:00

世耕参院幹事長の辞表を受理

 自民党は国会内で参院議員特別総会を開き、世耕弘成参院幹事長の辞表を19日付で受理したと報告した。後任の幹事長はいったん空席とし、関口昌一参院議員会長に人事が一任された。

 世耕氏は、所属する安倍派の政治資金パーティー問題をめぐり、直近5年間で1千万円超の裏金の還流を受けた疑いがある。世耕氏は14日に辞表を提出していた。

11:40

森山総務会長「反省すべきは反省し、国民の信頼を取り戻すのが大事」

 自民党の森山裕総務会長は記者会見で、安倍派と二階派に家宅捜索が入ったことを受け、「極めて遺憾。自民党として、しっかり反省すべきは反省し、国民の皆さんの信頼を取り戻すことが大事だ」と語った。

 党内から出ている「派閥解消論」については、「政策集団としての組織は非常に大事」と反論し、「派閥がどういう評価を受けているのかなどを検証しながら考えるべきだ」と述べた。

 閣僚や党幹部が派閥を離脱する必要性について問われると、「閣僚や党幹部の離脱と、今回の裏金、(政治資金の)透明性を欠く動きと何か関係がありますかね。私はあまり関係がないと思う」と主張。「私は派閥(近未来政治研究会)の代表も務めているが、透明性があるとか、ないとかは関係がないと思う」とも語った。

11:40

高木氏を支援する原発協力会社の社長「頭を下げて出直せばいい」

 安倍派幹部の高木毅・党国会対策委員長福井県敦賀市の事務所には、朝から報道陣が詰めかけた。

 高木氏の選挙区は全国最多の15基が集中する「原発銀座」。地元で支援する原発の協力会社の社長は、家宅捜索の報道後、取材に「一生懸命、パーティー券を集めたことは悪いことではなかった。ただ、そこで集めたものをちゃんと申告しないといけなかった。隠し事をしたなら、正直に『すいません』と言って頭を下げ、出直せばいい」と話した。

11:30

石破氏「我が党がどうするんだということが問われている」

 自民党の石破茂元幹事長は、党本部で記者団に対し、「安倍派と二階派の事務所に捜索が入ったことは非常に厳しい事態。検察からいろいろ指摘を受ける前に、我が党として(事態の全容を)明らかにしておくことも一つの考えだ」と述べた。

 岸田文雄首相が記者会見で「火の玉」となって取り組むと言及したことに触れ、「総裁は政治改革の先頭にたって取り組むという決意を言われた。それを受けて、我が党がどうするんだということが問われている」と語った。

 二階派に所属する議員が閣僚に就いていることについて問われると、「人事に関することは任命権者が決めることであって、はたがあれこれ言うことだとは思わない」としつつ、「対応が一貫性を持つ、論理としてきちんと通っているということだけが問われている」との見解を示した。

11:30

安倍派事務総長経験者の下村氏「ちょっと、ごめんなさい」

 自民党安倍派の事務総長経験者の下村博文・元政調会長は党本部で、東京地検特捜部が安倍派事務所に家宅捜索に入ったことについて記者団から問われると、「ちょっとごめんなさい。派閥としてコメントをしています」と述べ、真っ正面から答えなかった。

 政治不信が広がったことに対する自身の責任についても「はい、ごめんなさい」とだけ言い残し、車に乗って党本部を後にした。

11:30

伊藤環境相「影響を受けないように、しっかり必要な環境政策を」

 伊藤信太郎環境相は、辞任した西村康稔・前経済産業相と温暖化対策で連携する機会が多かった。19日の閣議後会見で、安倍派などへの家宅捜索が環境行政に与える影響について問われ、「温暖化プラスチック汚染などの環境問題はいやおうなく襲ってくる」と指摘。「(政治状況の)影響を受けないように、しっかり必要な環境政策をスピードアップして行いたい」と述べた。伊藤氏は先週までアラブ首長国連邦・ドバイであった国連の気候変動会議(COP28)に参加していた。

11:30

高市経済安保相「全容が解明され、国民に信頼していただける形を」

 高市早苗経済安保相は閣議後の記者会見で、安倍派と二階派の派閥事務所に家宅捜索が入ったことについて、「捜査の内容でございますし、もう私には知るよしもございません」と述べた。そのうえで、「しっかりと全容が解明され、やはり国民の皆様に信頼していただける形をつくっていけるとよいと思っております」と話した。高市氏はかつて、清和政策研究会(現安倍派)に所属していたが、2011年に離脱して以来、派閥に属していない。

11:25

岸田派の盛山文科相「政治不信が高まる結果になり大変残念」

 自民党岸田派に所属する盛山正仁文部科学相は閣議後の記者会見で、安倍派や二階派の派閥事務所の家宅捜索について、「検察による捜査がされていることから、コメントすべきことではない」と述べた。そのうえで、「多くの国民の皆様に、政治資金の問題で、政治への不信が高まる結果になったことは大変残念。我々がしっかり対応していくことが、有権者に対するお答えになるのではないかと考えている」と話した。

11:15

二階派の小泉法相「捜査機関の活動内容に関わる。お答え差し控える」

 自民党の派閥「志帥会」(二階派)の事務所が東京地検特捜部の家宅捜索を受けたことを受け、二階派に所属する小泉龍司法相は閣議後の記者会見で進退について問われ、「さまざまな状況を踏まえ、私と政策集団(志帥会)との関わりについては、適時適切に判断していきたい」と述べるにとどめた。

 自身の出身派閥が強制捜査の対象となる中で、検察官を指揮・監督できる法務大臣の立場にあることの適格性について問われ、「捜査機関の活動内容に関わる事柄でありますので、法務大臣として直接お答えすることは差し控えたい」としたうえで、「一般論として、検察当局においては、厳正公平、不偏不党、それを常に旨として、法と証拠に基づいて適切に対処していく。そのように承知している」と述べた。

11:05

松村国家公安委員長「コメント差し控える」

 松村祥史国家公安委員長が内閣府で閣議後会見。質疑応答で家宅捜索が始まったことへの所感を問われ、「閣議があったので詳細は承知していない。捜査機関の活動内容に関する事柄でもあるので、コメントは差し控えさせていただきたい」。

11:00

二階派がコメント「真摯に協力し、事案の解決に向けて努力」

 自民党二階派は「政策集団の件ではご支援いただいている皆さまをはじめ、多くの関係者の方にご心配とご迷惑をおかけしておりますことを心よりおわび申し上げます。当局からの要請には事務局、会員ともに真摯(しんし)に協力し、事案の解決に向けて努力してまいります」という二階俊博会長名のコメントを出した。

11:00

官房長官「お答え、差し控える」

 東京地検特捜部が安倍派と二階派の事務所に政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)容疑で家宅捜索に入ったことについて、林芳正官房長官は記者会見で「捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、私からお答えすることは差し控えたい」と繰り返した。

 組織的な裏金作りの疑惑がある安倍派の閣僚と副大臣はすでに交代している。二階派の閣僚らを交代させるかどうかについては「人事は総理の専権事項であり、私から申し上げる立場にはない」とした。

11:00

松本総務相、政治資金規正法の改正に「問題の中身を確認する必要がある」

 自民党麻生派に所属する松本剛明総務相は閣議後の記者会見で、安倍派と二階派の事務所への強制捜査について問われ「政治における信頼は極めて重要であろうと思う。現在、政治に対する信頼の状況は大変厳しいということは、残念ながら言わざるをえない」との考えを示した。

 総務省が所管する政治資金規正法の改正については「問題の中身を確認をする必要がある。制度そのものを直すべき問題なのか、制度が順守されるようにすることに問題があったのか。内容に応じて対応することが必要ではないか」と述べた。

11:00

収支報告書のデジタル化「総務省と議論をし、検討」

 河野太郎デジタル相は閣議後の記者会見で、「捜査について何か私から申し上げることはない」とする一方、政治資金規正法について、「非常にわかりにくく、調べようとすると手間がかかる」と指摘した。「法律改正のみならず、運用についても見直しが必要だ」とも述べた。

 河野氏は具体的な見直し方法として、政治資金収支報告書の内容を分析しやすくするためのデジタル化の必要性に言及し、「デジタル庁と総務省で議論をし、検討していきたい」と話した。

11:00

武見厚労相「あらゆる努力を党として行う」

 武見敬三厚生労働相は19日の閣議後会見で、「政府の立場から、党の中でのそうしたことに詳細を申し上げるわけにはいかない」としたうえで、「国民からの政治不信を解消するために、あらゆる努力を党として行うということを、自民党の一人として考えなきゃいけないと痛切に認識している」と述べた。

10:55

自見地方創生相「内閣の一員として総理をしっかり支える」

 自民党二階派に所属する自見英子地方創生相は閣議後の記者会見で、自身の進退を問われ、「引き続き内閣の一員として総理をしっかりと支え、職務に全力を尽くしてまいりたい」と述べ、続投する考えを示した。安倍派の閣僚と副大臣はすでに交代している。

 二階派の派閥事務所が捜索を受けたことについては「志帥会(二階派)には所属しているが、他の政治団体という人格があり、お答えする立場にはない」と述べた。二階派からのキックバック(還流)については、受け取りを否定した。

10:55

安倍派の事務総長の高木毅氏「誠実に、捜査には協力」

 自民党の清和政策研究会(安倍派)の事務総長を務める高木毅・国会対策委員長は、党本部で記者団に対し、「重大なことだと受け止めている。しっかりと誠実に、捜査には協力していきたい」と述べた。

10:40

立憲・泉代表「前代未聞だ」

 東京地検特捜部による自民党の安倍派と二階派の事務所への家宅捜索を受け、立憲民主党の泉健太代表は「自民党の複数の政策集団に強制捜査が入ること自体が前代未聞だ」と述べた。自民党の派閥について「実態は裏金づくりの温床」と指摘。「自民党はいまだに自らの説明責任を果たしていない」と批判した。

 泉氏は「岸田(文雄)内閣には二階派の大臣もいる。すでに『強制捜査内閣』だ。安倍派を一掃して済むのか」とも指摘した。

10:40

安倍派がコメント「心よりおわび申し上げる」

 清和政策研究会(安倍派)は「この度の清和政策研究会の件では、多大なるご迷惑とご心配をおかけし、また政治の信頼を損ねることとなり、心よりおわび申し上げます。重大に受け止め、捜査については最大限協力し、真摯(しんし)に対応してまいります」とのコメントを発表した。

10:40

キックバック「ございません」 二階派の自見英子地方創生相

 自民党の二階派(志帥会)所…

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    小松理虔
    (地域活動家)
    2023年12月19日16時15分 投稿
    【視点】

    お答えする立場にない、適切に処理、コメントは差し控える、真摯に対応・・・タイムラインで表示することで、政治家たちが語った言葉の空虚さ、中身のなさが際立って感じられました。高木氏を支援する原発協力会社の社長のコメントも興味深いものがあります。

    …続きを読む
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    大川千寿
    (神奈川大学法学部教授)
    2023年12月19日17時24分 投稿
    【視点】

    今回の事案は、派閥の問題にとどまらないということは、多くの有権者も感じているようです。派閥は自民党の非公式な組織であるものの、自民党を自民党たらしめる、党として今日まで長きにわたり権力を保持するために不可欠な存在であったわけです。そこに浮か

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