青山学院大・原監督の箱根改革論 全国化、そして言いたいお金のこと

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構成・堀川貴弘 辻隆徳

 箱根駅伝は2024年1月2、3日に100回目の節目を迎える。大会が国民的な人気を集めるようになった理由や今後に向けた課題について、青学大原晋監督、スポーツマネジメントが専門の松岡宏高・早大教授に聞いた。

原監督「自分たちで自由に稼げるような仕組みづくりを…」

 2004年の監督就任から20年になります。箱根駅伝の予選会突破までに5年、初の総合優勝までに11年かかりましたが、15年からの4連覇を含む6度の優勝を果たすことができました。

 実は初めて練習を見にグラウンドに立った瞬間、「10年で優勝できる」と直感しました。中国電力で現役を引退した後、サラリーマン生活をしていた10年間は陸上とはまったく無縁の生活。10年ぶりに陸上の現場に出てみると以前と変わらない光景がそこにあった。練習方法や指導者と選手の関係など以前から変わっていない部分を改革すれば勝てると思いました。まず、「箱根駅伝を通じて社会に役立つ人材育成」という理念を共有し、「感動を与える人間になろう」といった行動指針を掲げ、半歩先の目標設定を繰り返し達成しながら前へ進んできました。

 100回大会に向け、11日には選手16人のエントリーを済ませ、「負けてたまるか大作戦」という作戦名も披露しました。この時期、「覚悟を持っていざ挑戦」と思うとともに、メンバーに漏れた4年生の気持ちを考えると落ち込みます。私たち夫婦は選手と一緒に寮で暮らし、4年間で大きく成長していく姿を見ているだけにね。

 箱根駅伝の魅力はファンが介在する「真剣な場」ということ。人間は、人に見られてこそチャレンジしようと思う部分があり、多くのファンに支えられていることが大前提なんです。誰も見ないところで駅伝をやったって、速く走ろうといった欲は、なかなか出てこないわけです。

記事後半では箱根駅伝のお金にまつわる話や、日本陸上界の未来についての提言などを語ってくれました。

 ファンを引きつけるにはコー…

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    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2023年12月21日9時20分 投稿
    【視点】

    弊社主催の「全日本大学駅伝」について、「伊勢駅伝」へ名称変更を、という原監督の提案、膝を打ちました。確かに格好いい!  名古屋から伊勢神宮に向かうのではなく、その逆コースで、という案も、多くの人に沿道で盛り上げてもらうことにつながるのでは

    …続きを読む