給食のない冬休み、生活困窮世帯の子どもたちにレトルト食品を提供

西田有里

 まもなく冬休み。給食のない期間、生活困窮世帯の子どもたちの食事を支援しようと、埼玉県社会福祉協議会は、無料学習支援教室に通う子どもたちにパックご飯とレトルト食品のセットを提供する。市町村の社会福祉協議会などを通じ、計1万5千食を教室に届ける。

 県社協は2020年の冬以来5回にわたり、子ども食堂などを通じて長期の休み中の子どもたちに食べ物を提供してきた。6回目の今回は初めて対象を無料学習支援教室に限った。運営団体からの「勉強を教えるだけでなく食事も提供したい」という声にこたえた。

 17日までに県社協から約500食を受け取った川口市社協は、市内の3教室にわたす。教室側は「学習指導が中心で、食事や家庭の悩み事について聞く機会が少なかった。食品をもらえたことで話すきっかけが増える」と歓迎している。

 長引く物価高は生活困窮世帯の子どもの生活にも影響を及ぼしている。困窮する子育て世帯を支援する認定NPO法人「キッズドア」(東京)が、支援先の家庭を対象に5月末から約1週間実施した調査(回答数1538件)では、1人分の食費が1食あたり110円以下の家庭が4割に上った。「学校の健康診断でやせすぎと注意を受けた」「給食が頼り」との回答もあったという。

 県社協は「来年以降の長期休みにも同様の支援を続けたい」という。今回の資金となった「こども食堂・未来応援基金」への寄付も募っている。詳細は県社協のホームページ。電話(048・822・1435)でも相談を受けつけている。(西田有里)…

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