「仕事の方が楽だった」 育休を取得した43歳社長が改めた評価制度

中島健
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 男性の育児休業について考える宮崎県主催の企業セミナーが11日、宮崎市で開かれ、電子部品製造会社「えびの電子工業」(宮崎県えびの市)の津曲慎哉社長(43)が講演した。津曲さんは自分が育休を取得した経験を踏まえ、「育休が取得しやすい環境に重要なことは、本人と責任者の不安をなくすこと」と語った。

 3児の父である津曲さんは2019年、第3子の誕生を機に2週間の育休を取得した。「思ったのは全く眠れず、会社の仕事の方が楽。妻が歩けるまで支える育休は、家族の幸せを感じられるレスキューだ」

 会社は17年まで男性の育児休業取得者はゼロだったが、経験を踏まえて男性育休100%を宣言した。

 ただ、取得しようという本人には収入の減少や同僚に迷惑をかけるという不安があり、上司には「抜けた穴をカバーしきれない」などと不安が生じる、と説明。休むことで評価は下がらないことの明文化や、人に仕事を任せられる方が評価される仕組みを整備した、という。

 また、取得を進めるには、自身のような実例をつくることや、不公平がないよう、独身者など誰でも困ったときに休める有休取得100%を目指すことをすすめた。外部の評価があると制度の信頼度を高める、と明かした。

 津曲さんは「家族で活躍するお父さんは、会社でも慕われる人材」との考えを示し、育休の取得が従業員の意欲を高め、職場環境を良くする効果を語った。(中島健)

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