芸備線の再構築協、広島、三次市も参加意向 安芸高田市は不参加へ
黒田陸離 柳川迅
JR西日本が芸備線の一部区間を対象に、国へ設置を要請した「再構築協議会」をめぐり、区間外の沿線にある広島市と三次市が15日、参加の意向を国に回答した。一方、安芸高田市は不参加の意向を示している。広域的な議論を求める広島県の要請を受け、国が3市に意向を尋ねていた。国は3市の意見を踏まえて、協議会の参加者などを決める。
芸備線の西の起点は広島駅で、広島市、安芸高田市、三次市、庄原市を通り岡山県新見市に抜ける。再構築協の対象区間は備後庄原(庄原市)―備中神代(岡山県新見市)で、広島・岡山両県と地元2市は再構築協へ参加の意向を国に示している。
三次市は庄原市との交流人口も多い。福岡誠志市長は、15日の市議会で「再構築協議会で実施される調査や実証事業を芸備線の利用促進につなげるため、構成員として加わることが有益だ」と説明した。また、広島市の松井一実市長は「公共交通を維持していくため、国の支援も活用しながら関係者がしっかりと議論していくことが重要だ」とのコメントを出した。
一方、安芸高田市は「JRの要請区間に該当しない」として不参加の意向だ。沿線4市でつくる対策協議会を通じて、県や他市に協力していくという。
国土交通省中国運輸局の担当者は回答を受けて、「具体的な議論のあり方をできるだけ速やかに決定したい」と話した。JR西日本中国統括本部の蔵原潮本部長は15日の定例会見で、「広島市と三次市が広域的な観点から幅広い議論をしようとしていることは大変ありがたい」と述べた…