書店守り続けた125年 閉店決めた5代目「先祖に失礼」の意味は?

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小松隆次郎
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 東京・中目黒の駅前に、1軒の小さな書店がある。1898(明治31)年に台湾で創業し、戦後まもなく、この地に移ってきた。家族で店を守ってきたが「書店離れ」の波にのまれ、12月30日で125年の歴史に幕を閉じる。

創業者は「高祖父」

 〈ザ・閉店~ナカメの中心で閉店を叫ぶ~〉

 「新高堂(にいたかどう)書店」(東京都目黒区)の入り口には、こんな横断幕が大きく掲げられている。5代目店主の梅田美音(みね)さん(48)は「ど派手に、華々しく、うるさくやめたいなと思っています」と笑顔を見せる。

 店を創業したのは梅田さんの高祖父にあたる故・村崎長昶(ながあき)さん。

 村崎さんの回顧録によれば、1870年に熊本で生まれ、95年、当時日本の植民地統治下にあった台湾にわたった。その3年後に台北で開業。店名は、標高3952メートルの台湾最高峰・玉山の当時の名前「新高山(にいたかやま)」が由来とされる。

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