麻生氏に依存深める首相 「これまで良いことあったか」党内で危惧

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目黒隆行 小手川太朗
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 自民党安倍派の裏金問題を受け、閣僚、副大臣計9人を交代させた岸田文雄首相。要職からの「安倍派外し」で政権内の力学は大きく変わり、求心力が低下した首相は麻生太郎副総裁への依存度を強める。

 岸田首相が再起をかけて安倍派の閣僚と副大臣を一掃する人事を決めた14日、人事の過程での新たなつまずきが明るみに出た。外務副大臣を打診された無派閥の阿達雅志参院議員が、「体力が持ちません」と固辞していたことが分かったのだ。

 ポストの固辞は、官房長官を打診された無派閥の浜田靖一防衛相に次いで2人目。阿達氏は首相と距離を置く菅義偉前首相に近いことから、自民内では、党内の一部に首相の求心力が及ばなくなっていることの表れとも受け止められた。

 その菅氏は副大臣人事の曲折を知り、こんな言葉を漏らしたという。「へへへ。人事を受けても良かったのにな」

 裏金疑惑の広がりと、その後の「安倍派切り」など一連の対応に、自民内の権力バランスに配慮する派閥均衡政治を続けてきた首相を取り巻く環境は激変している。

漂いはじめた「双頭政治」ムード 「政権運営が危うく」

 裏金疑惑の渦中にある安倍派…

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