18日に発表される「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」首脳会合の共同声明案が判明した。アジアの脱炭素に向けた基本原則に「各国の事情を踏まえた多様で現実的な道筋」を明記。石炭火力発電の廃止を進める欧米と一線を画す考えを示す。
欧州を中心に脱炭素のルール作りが進むなか、岸田文雄首相は昨年1月の施政方針演説でAZEC構想を発表。アジアの有志国と脱炭素化を進める考えを明らかにしていた。
AZEC首脳会合は、東京で開かれる日ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議に合わせて開催。ミャンマーを除くASEAN9カ国と、豪州、日本の計11カ国が参加する。
合意案では、基本原則に「多様で現実的な道筋」を掲げる。このほか、多様なエネルギー源・技術の重要性▽経済成長、エネルギー安全保障などと両立する形でのエネルギー移行▽移行に向けた包括的な投資の必要性――なども盛り込む。
「多様な道筋」を掲げる背景…