来日そのまま野宿 公園に一時20人 難民申請者の支援追いつかず
日本で保護を求める難民申請者が急増し、支援が追いつかない状況だ。国も異例の補正予算を組んで対応するが、公園で野宿をする人も相次いでいる。13日には4年に1度のグローバル難民フォーラムがスイスで開かれ、日本は共同議長国を務めるが、足元での取り組みが問われる。
コロナ禍後に難民申請者が急増
「今はこうして笑えるけど、体は臭うし、ひどい目にあってきた」
11月末、東京都内のキリスト教会の宿泊施設で、中部アフリカ出身の男性約10人が集まって食事をしていた。都内の公園で野宿をしていたところを教会に救われた。
ある男性が来日したのは9月初旬。頼りはネットで調べていたNPO難民支援協会(JAR)だったが、着いたのは週末で事務所は閉まっていた。
カプセルホテルに泊まり、週明けに事務所を訪れ、難民認定の申請を手伝ってもらったり、食料をもらったりした。
だが、JARには連日続々と難民申請者が訪れる。限りあるシェルター(緊急の宿泊所)は子連れや女性が優先される。男性はネットカフェなどへ行く所持金も尽き、近くの公園で夜を過ごすようになった。
紛争や迫害から逃れ、日本に保護を求める人たちは、コロナ禍の入国制限が終わって急増している。支援団体の集計では、今年は11月で1万2500人を超え、コロナ禍前の2019年(1万375人)を上回った。過去最多の17年(1万9629人)に次ぐ多さになりそうだ。
通報で警察官「暗い場所にいて」
男性が野宿していた公園には、同じ国から来た難民申請者が1人また1人と集まるようになった。主に20~30代の男性で、祖国での職業は教師、銀行員、IT技術者、運転手など様々だ。この国は紛争や人権侵害が深刻で、多くの国民が国内外に逃れている。
事態を知って食べ物や毛布を差し入れた千代田区議の牛尾耕二郎さんによると、この公園だけで多い時は約20人が段ボールを地面に敷くなどして寝ていたという。
周辺住民の通報で警察官が何度も来た。公園は夜も街灯に照らされており、ある警察官は男性らに「人に見えない暗い場所にいてください」と言った。菓子パンなどを持って来てくれた警察官もいた。
当初は蚊に悩まされたが、季…
- 【解説】
これまでも日本に逃れてきた難民申請者が公園で野宿をしているという話は聞いていましたが、これほどの規模でホームレス状態になっていることは過去になかったように思います。アフリカ諸国の出身者がほとんどで、日本語はもちろん英語が話せない方も多くいま
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