第3回それでも私が日本を目指すのは 思い出す、ばあちゃんたちとの日々
ベトナム北部フートー=大部俊哉
日本と東南アジアの間を行き来する人はコロナ禍の期間を除き、増え続けてきた。日本には多くの若者が、出稼ぎや留学でやって来る。
ベトナム北部フートー省に住むグエン・ティ・ゴック・ニンさん(29)は、「沼田のじいちゃんとばあちゃん」と過ごした埼玉での日々を思い出す。
ニンさんが日本に興味を持ったのは高校生のころ。日本に留学していたいとこからアニメや映画を薦められたのがきっかけだった。
「将来は日本で働きたい」と思うようになり、2013年、高校卒業と同時に東京の日本語学校に留学。2年後、千葉県内の大学に進学した。2年生の時に同じベトナム人留学生と結婚、妊娠したのを機に休学して埼玉県飯能市のマンションに引っ越した。
初日にゴミを出す場所がわからずに困っていた時、高齢の女性に声をかけられた。
円安が進み、出稼ぎ先が多様化する中でも、日本を目指す人たちがいます。その「引力」とはどんなものなのでしょうか。
「大丈夫? こっち、こっち…