「県立高校、早期に共学化すべき」…20年ぶりの勧告に揺れる埼玉
西田有里
県立高校の男子校と女子校はなくし、共学化すべきだ――。今夏、埼玉県の第三者機関が約20年ぶりにこんな勧告をした。前回は「伝統を尊重すべきだ」などと関係者の強い反対意見を受け、教育委員会が「当面は現状維持」と決めた。ジェンダーをめぐる社会の意識が多様化するなか、「伝統と歴史」を誇る県立の別学校はどうなるのか。
浦和高校、浦和第一女子高校、川越高校、熊谷女子高校……。
いま、埼玉県立高校には計12の別学校がある。各界で活躍する著名人を多数輩出する名門校も多い。
そんな別学校をめぐり、昨年4月、ある苦情が県の第三者機関「男女共同参画苦情処理委員」に届いた。
「県立の男子高校が女子の入学を拒んでいることは不適切だ」
「公的機関が性別で異なる扱い、大問題」
同委員は県の施策への苦情な…
Think Gender
男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]