日本の学校ICT、探究学習への活用進まず 頻度「最下位」の項目も

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 経済協力開発機構(OECD)が、各国の15歳を対象とする学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。同時実施のアンケートからは、日本の生徒が授業や探究学習でICT(情報通信技術)を使う頻度が少ない傾向が浮かんだ。

 調査には81カ国・地域の約69万人が参加。日本では2022年6~8月に実施され、全国の高1のうち約6千人が参加した。結果は5日に公表された。

 生徒の学習状況などについてのアンケートでは、情報を集めて考察して発表するといった探究型教育で、デジタル活動をどの程度行ったかを聞いた。「実社会の問題や現象についての情報を、オンラインで見つける」について「毎日またはほとんど毎日」か「週に1~2回」と答えたのは計16・8%だった。PISAに参加したOECD加盟37カ国のうち、生徒にこのアンケートに回答させた29カ国の平均は34・9%で、日本の順位は29カ国中最下位だった。

 また、「絵、音声、動画を用いたマルチメディアプレゼンテーション(発表資料)を作る」は計11・2%(29カ国の平均17・6%)で、29カ国中28位だった。

国語や数学…教科ごとの活用割合も低迷

 教科ごとのICTの利用状況についても聞いた。国語でのICTの利用頻度について「すべての授業またはほとんど全ての授業」か「授業の半数以上」と答えたのは計15・2%で、OECD平均の27・3%を大きく下回った。数学では計16・1%(OECD平均24・5%)、理科では計22・0%(同30・4%)だった。

 結果を分析した文部科学省の担当者は「利用頻度が少なく、活用が進んでいない状況」との見方を示したうえで、「子どもの状況は多様化しており、情報端末を活用した個別最適な学びを進めていかなければならない」と指摘。今後、学校での先進的な実践事例を集めて広めていく考えを示した。

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