なぜ女性スポーツは低くみられるのか 発展の歴史をひもといてみると

有料記事

聞き手・富田洸平
[PR]

 同じスポーツ選手でも、男性と女性ではプレー環境や待遇面に多くの場合、差があります。中京大教授の來田享子さんは、その背景に、スポーツが「男性の教育の場」として発展してきたことがあると指摘します。

「女性はやらない方がいいもの」だった

 いま世界に広まっているスポーツの多くは、18世紀から20世紀初頭にかけて欧米で発展しました。スポーツは当時、社会の中心的な担い手である男性の教育の場として位置づけられていました。男性には、体力とともに「勇気」「判断力」「リーダーシップ」「協調」といった価値が求められ、それを養うため社会はスポーツを推奨しました。

 一方、女性には推奨する力は働きませんでした。家庭の中で男性を支えるのが女性の役割であり、振る舞いに「女性らしさ」も求められていたからです。そこから逸脱するスポーツは、むしろ、やらない方がいいものだったのです。

 ですから、スポーツに女性が…

この記事は有料記事です。残り1457文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2023年12月6日11時30分 投稿
    【視点】

    もっと多くの女性がスポーツをすることがなぜ良いのか。それは健康面や、スポーツを楽しむ権利を平等に享受するためだけでなく、少子化のいま、スポーツ人口の維持・増加による経済効果にとってもとても重要です。 しかしこれだけの歴史的な男女格差が、競

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2023年12月6日16時34分 投稿
    【視点】

    少年サッカーの試合で、女子選手から何度もドリブルで抜かれてしまった男子に、ベンチにいるコーチの男性が「女に負けてどうするんだよ~!」と苦笑いを浮かべながら叱咤している場面に出くわしたことがあります。試合が終わるのを待って、その男性に「女に負

    …続きを読む