武家屋敷跡の土塀に薦掛け 金沢で冬の風物詩

樫村伸哉
[PR]

 本格的な冬に備え、金沢市長町の武家屋敷跡で2日、土塀を雪から守る薦(こも)がけの作業が始まった。3日までに周辺の総延長1・1キロで薦を取り付ける。

 雪の付着や氷結で土塀が損傷するのを防ぐため、江戸時代から続く。2日は村山卓市長が「安全第一で息の合った作業をしていただき、市民や観光客に金沢の冬らしい景色を楽しんでほしい」とあいさつ。石川県造園業協同組合の職人ら35人が作業を始めた。

 わらを編み込んだ薦は高さ95センチ、幅3・6メートル。1枚ずつ縄でつり下げて固定する。石畳にしゃがんで見上げると、石垣、薦、土塀、黒瓦、紅葉のコントラストが初冬の冷気に映える。来年3月中旬ごろまで楽しめる。栃木県から夫婦で訪れた50代の女性は「たまたま通りかかったら金沢らしい風景に出会えた」と話し、写真を撮っていた。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません