大量死するホタテ、育たないカブ… 沸騰する地球、各地で異常事態

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野田佑介 才本淳子 竹野内崇宏
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 11月下旬、青森県の陸奥湾に面する蓬田漁港。午前3時すぎ、ホタテ漁師の中川八千雄さん(67)は漁船の上で、ホタテの稚貝をカゴに移し替える作業をしながら、ため息をついた。

 「3割ほど死んでる。こんなことは初めてだ」

 口が開いたり成長が止まったりして「へい死」した稚貝がいくつも見つかった。37年の漁師人生で最もひどい状況だ。

 原因はホタテが苦手な高水温。稚貝は26度を超えると衰弱して死ぬこともある。今年は、猛暑や海洋熱波により、水温が上昇し始める時期が早く、陸奥湾では7月下旬に水深15メートルで23度を超え、その状態が2カ月余り続いたという。9月上旬には最高水温が平年より4度以上高い場所もあった。

 県内の生産量の約半分を占める平内町漁業協同組合販売課長の小塚達典さん(42)によれば、稚貝の9割がへい死した地点もあるという。「人間なら熱湯につかっているのと同じ。漁業者から『来年に売るものがない』という声も聞く」

農作物にも悪影響

 京都の冬の味覚「千枚漬け」にも夏の酷暑が響く。原料となる良質な聖護院かぶの産地で知られる京都府亀岡市

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