おびえる人々「なぜ私たちが悪い」 イスラエル軍の爆撃、ガザ全土に
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとの戦闘の一時休止は1日朝、延長の合意ができないまま期限を迎えた。戦闘はすぐに再開され、すでに市民の犠牲者が出ている。人道危機の深刻化に加え、イスラエル軍によるガザ南部への侵攻拡大に、人々はおびえている。
「戦闘機の音が聞こえるたびに、目を閉じて祈りを捧げている」
イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への爆撃が再開された1日朝、南部ハンユニスに住む男性(30)は朝日新聞の電話取材にそう話した。妻は2歳の息子の耳をふさぎ、おびえないようにと懸命だが、何機もの轟音(ごうおん)が重なり、息子はずっと震えている。男性は「なぜ私たちが悪いのか。なぜ子どもたちが悪いのか。なぜ……」と訴えた。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラなどによると、戦闘が再開され、イスラエル軍の標的はガザ全土に広がっている。北部のジャバリヤ難民キャンプでは住宅地が攻撃を受けるなどしたほか、北部だけでなく中部マガジやエジプトとの境界近くの南部ラファやハンユニスでも死傷者が出ている。ガザ保健省は、戦闘再開後の死者が109人に上ったとした。中心都市のガザ市ではイスラエルとイスラム組織ハマス側との激しい戦闘が起きている模様だ。
「南部は安全だと言われたのに」
イスラエル軍はこれまで、北…
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