モーツァルト「レクイエム」生誕の城が競売へ 予想は16億円
河崎優子
モーツァルトの最後の作品「レクイエム」誕生の地とされる、オーストリアのシュトゥパッハ城が2日、競売にかけられ、入札が始まった。オークションを運営するサイトによると、城は最大16億円ほどで落札されると予想されている。
同サイトによると、かつて城に住んでいたバルゼック伯爵が、1791年に亡くなった妻のためにモーツァルトにレクイエムの作曲を依頼。作品は未完のままでモーツァルトが亡くなり、弟子が完成させた。楽譜は長年城に保管されていたという。
城は、バロック様式の庭つきの4階建てで、映画館や四つの寝室など、50の部屋がある。約900年前から存在が確認されており、各国の高官が社交場として集う場所だった。モーツァルトやシューベルトも演奏を行ったとされる。
米国の不動産ニュースサイトによると、廃虚になっていた城を1996年に購入した人物が、城でコンサートイベントなどを開催してきたが、後継ぎがいないため、オークションにかけて引き渡すことに決めたという。(河崎優子)