「不安定では希望描けない」 外国ルーツの子、社会で受け入れるには

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山本知佳

教室に数人、外国につながりのある子たちがいる。これからの日本ではそんな光景が当たり前になる見通しです。少子化により現役世代が減り続ける国で、教育や就職のサポートさえ整えば、未来への道が開く子どもたちがいます。外国ルーツの子たちをどう育み、社会に送り出すか。現在地を伝えます。

 外国ルーツの子どもへの教育や日本での定着をめぐる公の施策は、現実に背中を押されるように少しずつ整ってきた。

小中学校での支援は

 小中学校では、2014年度から、日本語指導を「特別の教育課程」と位置づけて、児童生徒にあわせた指導や評価ができるようになった。

 17年度には日本語指導のための教員の基礎定数化が決まり、子どもの人数に応じて配置されることが決まった。26年度には、日本語指導が必要な児童生徒18人につき教員を1人配置することになる。

 現場の教員に向けて情報発信もしている。情報サイト「かすたねっと」では、各地の教育委員会や学校が多言語でつくった教材や学校のお知らせを見ることができる。教員研修用の動画や、文部科学省が作った受け入れの手引、各自治体や団体が公開している多言語でのキャリア教育の資料などのリンクもまとめている。

■高校での支援は…

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年1月22日9時30分 投稿
    【視点】

    いつ日本に来たか、家庭で主に使用する言語は何かなど、外国ルーツの子どもたちの状況は非常に多様であり、そこに日本の在留資格やビザの複雑さ、権利保障のための諸法律や体制の不十分さが拍車をかけて、将来ある子どもたちの実態把握や対応ができていない状

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    武田緑
    (学校DE&Iコンサルタント)
    2024年1月24日14時35分 投稿
    【視点】

    現状がイラストとともに整理されていて、とてもわかりやすい記事でした。 確かに少しずつ、施策は増えて制度面が整ってきている面もあるのですが、実際には日本語支援ができる人材が足りていないことなど、制作面での課題はまだまだ山積みです。直接的な差

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