第4回不信招いた宝塚報告書 「いま考えれば失敗」阪急側は想定外の展開に
「最初から把握はしていた。ただ、いまから考えれば失敗だった」
阪急阪神ホールディングス(HD)の関係者は、こうつぶやいた。
「失敗」したというのは、弁護士事務所の選定のことだ。
阪急阪神HDが持つ事業のひとつである宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)。今年9月30日、劇団員の女性が亡くなった。
歌劇団は大阪に拠点がある「大江橋法律事務所」に調査を頼んだ。事務所側は9人の弁護士によって「調査チーム」をつくり、劇団員を中心に、およそ70人から事情を聴き、報告書をまとめた。
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夢の舞台に立った劇団員は、なぜ亡くなるに至ったのか。華やかな舞台の陰にある問題を見つめます。
しかし、報告書の内容に遺族は納得しなかった。
企業統治の専門家などからは、公表された調査のあり方に疑問の声があがった。
こうした不信や疑問を招く理由のひとつは、阪急阪神東宝グループの複雑な組織と、調査を頼んだ弁護士事務所の選定にあった。
阪急関係者は言う。「もう少し、やりようはあったかもしれない。だが、当時はそこまで思い至らなかった」
当時――。時間は、女性が亡くなって間もない今年10月7日にさかのぼる。
「(調査チームには)予見を…
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- 【視点】
「最初から把握はしていた。いま考えれば失敗だった」 記事冒頭に出てくる阪急阪神HD関係者の発言の真意をはかりかねています。記事を最後まで読んでも、もやもやしています。 失敗したのは、弁護士事務所の選定。本心からそう考えているのなら、
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