高い専門スキル、もっと高い社会的評価を パラスポーツ指導員の現状

有料記事現場へ!

編集委員・中小路徹
[PR]

現場へ! パラスポーツの裾野⑤

 「小さくなって鈴を鳴らす~」「上で鳴らす~」

 11月9日の大阪市舞洲(まいしま)障がい者スポーツセンター(此花区)。上級パラスポーツ指導員の七田幸子(37)が音楽体操とスポーツレクリエーションを知的障害者を対象に行っていた。

 この日は生活介護事業所から、山口百恵の「プレイバックPart2」を使ってほしいというリクエストがあり、鈴を使った振り付けを考えた。

 「鈴を持つと、自然と振って鳴らす動きが出る。また、易しい言葉で、ひざの屈伸やひじが伸びる動きを促しました」

 2チームに分かれ、表裏が青色と赤色の円盤をひっくり返すゲームもした。「速く動かなければと思わせる要素を入れます。楽しむことを前提に、体力を維持するのが目的です」

 ゲームを通じ、利用者たちは反復横跳びや四つんばいの動きを自然としていた。その人の能力を引き出すことも重要だ。

 七田は2009年から今の仕事に携わる。大学時代に障害者の水泳大会のボランティアをした時のこと。左手だけを使った背泳ぎで、25メートルを14分かけて泳ぎ切った女性の姿に心を動かされた。「1年目は期限付き契約の待遇だったのですが、給料が良かった民間企業の内定をお断りしました」

 以来、トップのパラアスリー…

この記事は有料記事です。残り782文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません