米国でシーク教徒殺害を計画 男を起訴、「インド政府職員の依頼で」
ニューヨーク=中井大助 ワシントン=下司佳代子 ニューデリー=石原孝
インド政府の職員から依頼され、米国在住のシーク教徒の殺害を計画したとして、米連邦検察は11月29日、インド人の男を起訴したことを明らかにした。暗殺の対象となったのは、シーク教徒による独立運動の指導者の1人。カナダでも6月にシーク教徒の独立運動の指導者が殺害され、カナダ政府は「インド政府が関与した疑いがある」と主張しているが、米国でも似た計画が判明した形だ。
起訴状などによると、殺人を請け負った罪で起訴されたのは、ニキル・グプタ被告(52)。6月30日にチェコを訪れた際、米国の要請によって逮捕された。
「前金」1万5000ドルが支払われた
グプタ被告は2023年5月ごろ、インド政府の職員から、インドでの刑事事件で責任を問わない見返りに、ニューヨークに住む米国籍のシーク教徒の殺害を依頼され、請け負ったという。しかし、グプタ被告が殺害を進めようと連絡をとった人物は米司法当局の協力者で、「殺害の実行者」として紹介された人物も実際には米当局者だった。
グプタ被告による調整の結果…