「地域盛り上げる一助に」 藤井名人・竜王に愛知県民栄誉賞を授与
将棋界初の八冠独占を果たした藤井聡太名人・竜王(21)が30日、愛知県の県民栄誉賞を受賞した。フィギュアスケートの浅田真央さん、プロ野球の故・星野仙一さん、レスリングの吉田沙保里さんに続いて4人目。藤井氏は「今後さらに活躍できるよう努めたい」と話した。
藤井氏は愛知県瀬戸市出身。2016年10月に史上最年少の14歳2カ月で四段に昇段し、20年に初タイトルの「棋聖」を獲得。その後も次々にタイトルを奪取し、今年10月11日に史上初の八冠独占を達成した。
県は、記念品として県花のカキツバタがあしらわれたすずり箱と、すずりを贈った。藤井氏は18年に県から特別表彰を受けた際に「豊橋筆」を贈られており、「セットで書の練習をしていきたい」と話した。
藤井氏はお返しの品として「大志」と記した色紙を贈った。四段だったころに扇子に揮毫(きごう)した言葉で、「いろいろ状況は変わったが、当時の気持ちを思い出してやっていきたい」と語った。
地元・愛知については、「もともと将棋が盛んな地域で、子どものころは周りの方に支えられて成長できた。棋士になった後は温かい応援をいただき、励みになっている。私も地域を盛り上げる一助になるような活動ができれば」と話した。
年内の公式戦は終え、次は来年1月7日に始まる王将戦だ。この一年を振り返り、藤井氏は「八冠達成など、自分が思っていた以上の結果が出せた。一方で苦戦した将棋も多く、課題が残った。来年はそこを意識してまた取り組んでいきたい」と語った。