敷地内で「性被害」 テレ朝、証言の元ジャニタレから聞き取れぬまま

滝沢文那
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 旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.)に所属していたアイドルグループ「忍者」元メンバーの志賀泰伸さんが、1984年にテレビ朝日の旧社屋敷地内で故・ジャニー喜多川氏から性被害を受けたと朝日新聞などの取材に証言している問題で、テレ朝の篠塚浩社長は28日の定例会見で「志賀さんご本人には、お話をうかがえていない」と語った。

 テレ朝は事務所との関係性を検証する番組を12日に放送しているが、その際、旧社屋敷地内での性加害疑惑については、当時の局関係者らが亡くなっている点などを理由に「事実関係の確認は困難だった」と結論づけている。

 この日の会見で篠塚社長は、敷地内での被害を訴えている志賀さんにヒアリングを求めたかどうかについては「事実としてうかがえていないということで、それより先につきましては取材の過程になるので、お答えは控えさせていただく」と答えた。

 また、検証番組自体の評価について、篠塚社長は「今の段階としてはできることをやった」と述べ、「この特番自体が早河洋会長の指示で制作した」「会長や私を含め上層部が関与して、了解のもとにやっている」などと語った。早河会長がヒアリングの対象になったかどうかは、明かさなかった。

 テレ朝を巡っては、人気音楽番組「ミュージックステーション」で、事務所と競合する他事務所のアイドルの出演がほとんどできなかった背景に事務所の圧力を指摘する声があるが、この点についての検証は行われていない。会見で篠塚社長は「音楽番組については、バラエティーという形で総合的に検証した」と語った。また、さらなる検証については、「何か新しいテーマが出てくれば当然考えるが、現状ではない。展開次第だ」とした。(滝沢文那)

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    松谷創一郎
    (ジャーナリスト)
    2023年11月29日1時22分 投稿
    【視点】

    テレビ朝日は、先日の検証番組の内容は調査内容・再発防止策ともに具体性が乏しく、ひどい内容でした。そして今月の定例会見の対応もやはり不自然で、ひどい内容としか言えません。 まず、1984年にテレ朝の旧社屋内で性被害に遭った志賀さんにヒア

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