水ぶくれする国の基金で、約190の事業のうち少なくとも43事業で、成果の数値目標がない実態が明らかになった。目標が明確でなければ、事業が失敗しても、見直されずに無駄遣いが続くことになる。有識者から改善を求める声が相次いでおり、国も見直しを迫られている。
10月のデジタル行財政改革会議で、家計簿アプリを運営するマネーフォワードグループの瀧俊雄執行役員は苦言を呈した。「民間であれば経営会議を通らない。血税をあてはめていいのか」
瀧氏が問題視したのは、「失敗を許容する」として、文部科学省が「ムーンショット型研究開発プログラム」の目標を設定していないことだ。ほかにも、不合理な理由を並べて、目標を設定しない事業が相次いでいる。
目立つのが「グリーンイノベーション基金」や「中小企業イノベーション創出推進基金」など、コロナ禍以降に新設されたもの。担当する経済産業省は「支援対象の採択が完了していないため」などとし、支援する案件を決めてから目標を設定する構えだ。
ただ、先に事業で何を目指す…