人件費は「おたくのアレだよね」中小、苦渋の賃上げ 進まぬ価格転嫁
企業全体の9割超を占める中小企業でも賃上げが進んでいる。ただ、取引上の立場が弱いとされ、原材料価格や労務費の高騰分を十分に転嫁できず、賃上げの原資を確保できていないケースも少なくない。経営者からは、葛藤の声が漏れる。
関東地方の自動車部品メーカーでは、社長が毎年4月に賃上げ額を決める。会社には労組がないため、春闘とも無縁だ。年齢や経験年数に応じて賃金を自動的に上げる「賃金表」もなく、経営状況などを踏まえて決めている。今年は基本給を平均7千円引き上げると決めた。前年から4千円の上積みだ。
光熱費や食料品の値上げが相次ぎ、従業員の生活を少しでも楽にしたいという思いは強かった。しかし、物価高を踏まえると十分とは思っていない。「もっと上げたかったけど、経営力も考えないといけないですよね」。苦渋の決断だった。
従業員は100人ほど。大手…
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- 【視点】
あらためて示します。日本にある企業のうち99・7%が中小企業で、日本の働き手の7割が中小企業につとめています。その多くが、この記事にでてくる会社と同じように苦しみながらの賃上げをしています。「うちは賃上げないんですか?」と言ってくる社員の気
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