風を受けて勢いよく回る大型風車の風下では、空気が羽根でかき混ぜられたようになり、風が乱れたり弱まったりする。この現象をドローンで精密に測定する世界でも珍しい実験が北九州市若松区の響灘地区でおこわれた。風の乱れの予測精度を高めて、脱炭素の切り札とされる洋上風力発電の発電量アップにつなげるのが狙いだ。
この現象は「ウェイク」と呼ばれ、風下の風車の発電量を減らすことが知られている。限られた海域に大型風車を多数並べる洋上風力発電では、ウェイクの影響をできるだけ受けないように風車を配置することが重要だが、現象が複雑すぎて正確な予測が難しいことが課題になっている。
精度向上のカギを握るのは実際の風車での測定データだ。
九州大の内田孝紀教授(風工…