マイナンバー制度をめぐり政府が進めてきた「総点検」の最終報告が、12月上旬に公表される。続発するトラブルを受け、岸田文雄首相は来秋の「マイナ保険証」への移行と紙の健康保険証の廃止について、判断を先送りしてきた。信頼回復が廃止の前提とする首相は、報告に合わせどのような見解を示すのか。
22日の予算委員会で首相は来秋に予定する健康保険証の廃止について問われ、「国民の不安払拭(ふっしょく)のための措置を完了することが大前提だ」と繰り返した。
今春以降相次いだマイナンバー制度のトラブルを受け、政府は6月に総点検本部を設置。マイナンバー情報にひもづけられた公金受取口座や健康保険証の情報など、約8200万件に上るデータを点検してきた。
特に問題となったのが、健康保険証や公金受取口座の情報を別人のマイナンバーに登録してしまったケースだ。デジタル庁は、本人に代わって自治体の職員が端末を操作したり、医療保険側の職員がマイナンバーを自治体に照会した際にミスが起きたりしたことを主な原因に挙げ、システムの改修や省令改正を通じて再発防止策を整えたとする。デジタル庁幹部は「問題の芽は摘んだので、トラブルはもう起きない」と語る。
一方、誤登録された口座のう…
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