第7回教科書から消えた、性に関するコーナー 検定通るも「異例」の削除
性教育を問う(7)
高校保健体育の専門家が、ある出来事について話し始めた。
専門家は2000年代、教科書会社「大修館書店」(東京都文京区)の高校の保健体育の教科書で、執筆者からの原稿を整理・調整する編集委員の立場だった。
教科書は国の検定を受け、合格したものが「教科書」として発行できる。検定の流れはこうだ。
小学校、中学校、高校のそれぞれの学習指導要領に基づき、教科書会社が編集した教科用「図書」について、各教科の専門知識をもった教科書調査官や大学教授らでつくる検定調査審議会が審査する。審議会が直すべきだと判断した記述などは「検定意見」として教科書会社に伝える。多くの場合、会社側は修正したものを再び提出し、もう一度審査を受け、最終的に文部科学相が合否を決め、合格したら「教科書」となる――。
00年代の高校の教科書は、98年度に改訂された指導要領に基づき、01年度と05年度に検定が実施された。01年度検定であれば00年度中に、05年度検定であれば05年度中に教科書会社から申請図書が提出される。
大修館書店の高校保健体育で問題となったのは、「性について話しあってみよう」という見開きになっている2ページのコーナー。01年度の検定では合格した内容だったが、05年度の検定で「待った」がかかった。
■ついた検定意見、修正案提案…