サッカーJ1ヴィッセル神戸が初優勝 大迫ら擁し創設29年目で悲願

堤之剛
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 サッカーの明治安田生命J1リーグは25日、第33節があり、首位のヴィッセル神戸が本拠ノエビアスタジアム神戸(神戸市)で名古屋グランパスを2―1で破って初優勝を決めた。

 勝ち点を68に伸ばし、同64の2位横浜F・マリノスに最終節(12月3日)で逆転される可能性がなくなった。

 神戸はクラブ創設29年目での悲願達成。国内3大タイトルの獲得は2019年度の天皇杯以来、二つ目。

 神戸は前半、MF井出遥也のゴールで先制し、直後にはFW大迫勇也からのクロスを武藤嘉紀が決め、2点目を奪った。その後、1点を返されたが、逃げ切った。

 神戸は22得点でJ1のランキングトップを走る大迫を筆頭に、武藤、山口蛍酒井高徳の日本代表経験者を擁する。

 13位と低迷した昨季途中に就任した吉田孝行監督(46)のもと、守備を重視した戦術でチームを立て直し、今季は開幕3連勝と順調に滑り出した。

 前節までで1試合平均0・9失点の堅い守備を土台に、連敗を一度も喫しない安定した戦いぶりで、9月3日に首位に再浮上した。

 同29日には横浜マとの首位攻防戦も制して優位に立つと、そのまま初の頂点をつかんだ。

 川崎製鉄サッカー部(岡山県)を母体にクラブが誕生したのは1995年。初練習が予定されていた1月17日に阪神・淡路大震災が起きた。いったん岡山に練習場所を移し、チームが神戸で練習をできたのは4月だった。

 JFL(日本フットボールリーグ)を経て97年にJ1に昇格。04年には、経営難に陥ったヴィッセル神戸に代わり、クリムゾンフットボールクラブ(現・楽天ヴィッセル神戸、三木谷浩史会長)が新たな運営会社になった。

 豊富な資金力を背景に近年は日本代表経験者だけでなく、元スペイン代表のイニエスタビジャら世界的なスターを次々と獲得。19年度にはクラブ初タイトルとなる天皇杯優勝を果たし、21年にはJ1で過去最高の3位に入った。

 J1の優勝は17年以降、横浜マと川崎フロンターレが分け合ってきた。

 31年目を迎えたJ1で優勝を果たしたクラブは神戸で11例目。初優勝は12年のサンフレッチェ広島以来となった。(堤之剛)

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