山陰こどもみらいろ応援団 私の個性大胆に 特別支援学校生が作品展
美術館に飾られているような作品を作ってみたい――。鳥取大付属特別支援学校高等部の生徒が制作した抽象画の展覧会「わたしたちのあんふぉるめる」が、鳥取市の鳥取砂丘コナン空港で開かれている。
「設定教科アート~美~」を選択する高等部1~3年の生徒6人が、初めて抽象絵画表現に取り組んだ。抽象画を描いてみたいという生徒の要望を受け、鳥取大地域学部の中尾泰斗准教授(36)に指導を依頼。話すことが苦手だったり、見通しを立てることが難しかったりといった生徒の障害特性を考え、色彩を重んじ、激しい表現で行う非定形絵画「アンフォルメル」を紹介された。
技法は絵の具遊びのように、生徒が主体的に決めた。キャンバスに直接アクリル絵の具をたらし、はけやへらを使って伸ばした。多量の絵の具を使っているため、画面に現れた凹凸や色の鮮やかさ、混ざり具合が見どころだ。
15日には、生徒たちのアンフォルメルの作品13点を空港のコナンホールに展示。作品の下には、生徒それぞれがタイトルを貼り付け、感想を書いてもらうパネルも設置。加藤真拓(まひろ)さん(3年)は「制作はやればやるほど面白くて、ずっと描いていられそうだった。色合いを工夫して、気に入った配色の作品ができた」。夏恋(かれん)さん(3年)は「カラフルをテーマにグラデーションをきれいに描くことを楽しんだ。濃い青と水色で海っぽい自然の色を表現した」と話した。
中尾准教授は「生徒たちの作品は色が強い。言葉で表現するのが苦手な子も、配色などからその子の人柄が表現されている」と評価。具体的な絵が描けない子も楽しく取り組めたといい、特別支援学校高等部の中島千恵教諭は「助言をいただきながら、ふだんの授業では取り組めないことができた。地域の人たちにもぜひ見てもらいたい」と呼びかけている。
展覧会は28日まで。観覧無料…