トリガー再浮上、狙う野党分断 首相と自民には溝「発動なら大混乱」
一般会計歳出が13兆1992億円となる今年度補正予算案が24日、衆院本会議で可決され、衆院を通過した。政府の総合経済対策の裏付けとなる予算で、自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党が賛成。立憲民主、共産両党は反対した。国民民主はガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の発動を含め、与党と協議を始めることで合意したことを受け賛成を決めた。政府・与党は来週からの参院予算委員会での審議を経て、月内の補正予算案の成立をめざしている。
24日の衆院予算委員会の締めくくり総括質疑で、首相はトリガー条項に前向きな姿勢を強調した。「与党と国民民主党の政策責任者の間で議論する、検討することは有意義だ」と語った。
昨年に続いて、首相がまたも検討をちらつかせ始めたのは、トリガー条項にこだわる国民民主を抱き込みたいからだ。国民民主の支持団体である連合には、立憲民主党との連携強化を求める声もある。首相としては、トリガー条項などの政策をテコに野党を分断し、国会審議や選挙で少しでも与党に有利な環境をつくりたい考え。
官邸幹部は「政治の損得勘定を踏まえた動きだ」。別の幹部は「これで政権のシンパが増えてくれたらいい」とあけすけに語る。
予算案賛成の玉木氏、首相と握手
予算委に先立つ24日朝、自…
- 【視点】
岸田首相は、ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の検討を、昨年に続いて持ち出しました。ただ、原油高対応としては様々な課題があり、1年半前に採用を見送り、補助金政策を選択した経緯があります。政府内でも、トリガー条項の再浮上にクビをか
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