古村比呂さん、動画でがん情報発信 「芸能人は特別な治療?」に驚き

有料記事がんとともに

上野創

 子宮頸(けい)がんの経験を公表している俳優の古村比呂さん(58)は、YouTubeでがんについての動画配信を続けています。ネットで流れる情報の危うさを強く感じるからこそ、患者のために「確かな情報」を分かりやすく伝えたいという気持ちが湧くといいます。今年になって3回目の再発を経験し、今も治療を受けながら発信を続ける古村さんに話を聞きました。

 ――配信を始めたきっかけは?

 自分の経験が誰かの参考になればと思って、2020年4月から始めました。がんは告知を受けるとすぐ治療に入るので、患者は短い時間で決めないといけないことが多い。そういう人たちの役に立てばと思いました。発信する内容を考えることは、自分自身の勉強にもなります。

 動画で情報を集める人が増えたのも理由です。息子たちの世代はまず動画を調べるのが当たり前。撮影や編集は次男に手伝ってもらっています。

 ――動画のチャンネルでは、「日進月歩のがん治療の現在を、そして確かな情報をお届けできるように」と説明しています。

 根拠のある情報を届けるため、私の経験談だけでなく、腫瘍(しゅよう)内科医の勝俣範之先生にも協力していただいています。

 がんになってネットで検索すると、効果がはっきりしていない自由診療の免疫療法や健康食品について、情報がたくさん出てきます。中には医師免許を持つ方の発信もあったりして、きっと効くんだろうと思ってしまいますよね。

 あるとき、イベントに呼ばれて登壇したら、来場者の方から「芸能人はスペシャルな治療を受けているんですよね」「一般人では受けられない、お金がかかる治療なんでしょう」と質問されてびっくりしました。周りの人もうなずいていました。

 「私は標準治療がベストと思っていますよ」と伝えましたが、納得していない感じでした。

 ――標準治療は保険もきくし、最も一般的にほどこされている治療ですね。

 そうなんです。ものすごい時…

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