テレビ局が旧ジャニーズ検証番組 識者「視聴者ニーズに応えてない」
旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.)の性加害問題を踏まえ、NHKと在京キー局が、事務所とのこれまでの関係性を検証する番組を9~11月にそれぞれ放送した。テレビは自らの「負」の部分にどう向き合ったのか――。
検証番組は、NHKが「クローズアップ現代」、TBSが「報道特集」、日本テレビは「news every.」といった夜や夕方の報道番組内で、フジテレビ、テレビ東京、テレビ朝日は特別番組として放送。各局とも、報道や制作、編成を担当した社員や元社員らからヒアリングした上で検証していた。
各局、時間を割いたのは、週刊文春が性加害問題を報じた1999年ごろや、文春記事の重要部分を真実と認める判決が最高裁で確定した2004年前後に、この問題を報道しなかった点だ。
「(当時)人権侵害という認識がなかった」(テレ朝)、「男性の性被害に対する意識が低く、週刊誌の芸能ネタと位置づけてしまった」(TBS)といった当時の報道現場の声などを伝え、問題意識の低さが報道に至らなかった原因だと結論づけた。また、故ジャニー喜多川氏の性加害の話については「(80年代に)ジャニー氏に迫られたと(事務所に出入りしていた)子どもたちから聞いたことがある」(テレ東)など具体的な証言もあったが、被害を裏付ける動きにならなかったとした。「そういう“えげつない世界”や“性的な部分”は知りたくないと思っていた。視聴者獲得のために清濁あわせのんでやってきた」(NHK)といった声も紹介された。
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