市議のゆるキャラ動画で職員を処分 大阪府吹田市「削除要請できず」

田中祐也

 大阪府吹田市の自民党市議が、市のマスコットキャラクター「すいたん」と酷似したキャラが登場する動画を配信していた問題で、市はすいたんを管理する部署の職員や上司を2日付で訓告処分にした。

 後藤圭二市長が21日の会見で明らかにした。訓告処分を受けたのは都市魅力部長ら4人。「議員に適切な削除要請ができなかった」と処分理由を説明した。

 動画を配信していたのは自民党の藤木栄亮(えいすけ)市議(55)。ユーチューブの自身のチャンネルで、「(吹田市は)共産党の支持者の巣」などと発言し、すいたんを名乗るキャラが「いやー怖いわー」と応じる動画などを作って配信していた。

 市のすいたんの使用要領では、声を出すことや、特定の政治や思想の支持や批判などを認めていない。

 6月に市民から動画を問題視する意見が寄せられ、担当者が藤木市議に3回にわたり削除を「お願い」した。市議は削除せず、一部を修正するにとどまった。

 市民が監査請求し、10月に市の監査委員が動画を「著作権侵害」と認定。市は改めて市議に削除を要請し、11月10日に動画は削除された。後藤市長は「一部修正の時点で削除を諦めたことが問題」と指摘した。

 市長は今春の市長選で自民党の推薦を得て当選。選挙戦では藤木市議と一緒に演説をした。それが職員に影響したのではと会見で問われると、「職員は36人の市議会議員を対等に扱う。私も配慮せよという姿勢を見せたことはない」と語った。

 藤木市議が報道陣の取材に応じていないことについては「市が言う立場ではないが、要請があれば議員が自身の判断で対応されると思う」と話した。(田中祐也)…

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