【そもそも解説】「国会の花形」予算委員会 予算以外のテーマも議論
国会で予算委員会が開かれています。議論されているのは予算だけではないようです。どんなことを議論するのか、いちから解説します。
Q 予算委員会が開かれている。学校みたいに国会にも委員会があるの?
A 国会では議員全員が集まる本会議とは別に、少人数の委員会ごとに分かれて議論する。予算委のように法律で設置を定めている常設の「常任委員会」と、国会が必要に応じて議決して設置する「特別委員会」がある。戦後日本の国会は「委員会中心主義」と言われ、丁々発止の一問一答形式での論戦をする委員会が中心となっている。とりわけ予算委は常任委員会のうち最大(衆院50人、参院45人)で、「国会の花形」と呼ばれている。
Q どうして花形なの?
A 首相をはじめ全閣僚が出席してテレビ中継されることもあるからだ。予算と関わりのある国政の課題は多い。野党にとっては、首相や閣僚を追及したり、自らの党の政策をアピールしたりする「見せ場」となる。答弁する側の首相らは、国民にどう説明するかが注目される。内閣や野党の支持率に影響することもある。
Q 副大臣・政務官の辞任や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)など予算に直接関わりのないの問題もなど、予算以外のテーマも議論される理由は議論されている?。
A 今回は補正予算案を審議しているが、それ以外の国政のテーマについても質問できる。予算委で政府に対して幅広く問うの質問することは、国会の行政監視機能の一部であるであるというのが通説だ。歴史をたどると、議会は欧州などで、君主の課税権などを監視・制限するための機関としてつくられた。
Q 過去に政府に対してどんな追及があったの?
A たとえば首相や閣僚らの「政治とカネ」の問題だ。田中角栄元首相らが逮捕されたロッキード事件をめぐり、「爆弾質問」をすることで「爆弾男」と呼ばれた社会党(当時)の楢崎弥之助氏や、審議を止める「止め男」と呼ばれた大出俊氏らが衆院予算委の場で、自民党政権を追及した場面などは有名だ。
Q 予算審議の焦点は?
A 今年度の補正予算案に続き、年明けの通常国会の予算委では新年度予算案が審議される。岸田文雄首相が打ち出した減税の是非や効果、防衛費増額のための増税、将来の世代の負担など、私たちの暮らしにかかわる大事なことがテーマとなる。様々な課題について、政治家は論戦を深めてほしいね…