離婚後の共同親権に向けた法整備を要望 研究者や元裁判官ら約60人

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杉原里美

 離婚後の子どもの養育のあり方をめぐって、家族法学者や元裁判官、弁護士ら63人が20日、小泉龍司法相あてに、離婚後の父母に共同親権を認める制度の導入に向けた法整備を求める要望書を提出した。

 要望書は、家族法を専門とする中央大の鈴木博人教授や関西学院大の山口亮子教授ら4人が呼びかけ人になり、家族法や家族社会学などの研究者、元裁判官、弁護士や司法書士など59人(11月19日現在)が賛同者になっている。

 要望書によると、日本では毎年約18万件の離婚があり、そのうち約6割に未成年の子どもがいる。現在は、離婚時に必ずどちらか一方に親権を決めなければならないため、「親権者になれないと子どもに会えなくなるのではないか」という不安から親権争いが激しくなったり、合意のないまま子どもとの同居を確保した親が、別居親との交流を著しく制限したりしていると指摘。父母の養育責任の継続を明確にするためにも、子どもの利益を優先的に考えられる仕組みが必要だとしている。

 現在、離婚後の子どもの養育については、有識者や当事者団体の代表を集めた法制審議会の家族法制部会で議論されている。同部会は今年4月、共同親権を導入する方向で検討する方針を確認している。

 要望書は、これに「賛同」するとして、離婚時の具体的なルールを定めることや、離婚手続きに入る前の親への適切な情報提供をする仕組みづくりを求めている。

 さらに、夫婦間に葛藤やDV(配偶者間暴力)があり、夫婦による合意形成が困難な場合もあるとして、DV事案に適切に対応できる制度の整備も要望した。

 20日の要望書提出後、都内…

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