宗教学者・島田裕巳氏 「池田氏の死去、影響は計り知れない」
東京女子大学非常勤講師で、創価学会に関する著作もある宗教学者の島田裕巳(ひろみ)氏に池田大作名誉会長の死去が今後の創価学会・公明党に与える影響について聞いた。
――今後への影響をどうみますか。
「池田氏は表舞台を去って久しかったとはいえ、公明党を創設したカリスマ的な存在だ。創価学会の機関紙である『聖教新聞』などを通じて、これまでも会員にメッセージを発していたので、それが消えてしまう影響は計り知れない」
――選挙活動にも影響が出てくるでしょうか。
「今後、会員の選挙に対する熱意が大幅に減っていくのではないか。会員が高齢化して集票力に陰りがみえていたが、それでも選挙の中心は高齢の会員たちだ。その高齢会員にとって、とりわけ池田氏の存在は大きく、『先生のために』という意識が強かったはずだ。その心の支えがなくなってしまった。『そろそろ潮時かもしれない』という思いを抱く会員も出てくるかもしれない」
――衆院の小選挙区から撤退論などが出てくる可能性はあるでしょうか。
「より現実的な可能性として出てくるのではないか。選挙が会員にとって重荷になっていたことは事実だと思う。宗教団体ではあるが、選挙だけがイベントみたいな集団になりつつあった面もあるので、やりがいや心の支えがなくなるという喪失感が出てくるのではないか」(聞き手・今野忍)…